用語解説
焼き入れの深さは大きいサイズになると中心まで焼きが入らない性質があり、それを「質量効果」という。
内部の冷え方に遅れが生じるので焼き入れによってできるマルテンサイト結晶が中心に向うに従ってその結晶の量が減っていきます。
炭素鋼→質量効果が大きい⇒大物になるほど焼の入りが少なくなる。
S45C程度の例(焼き入れ直後)
直径φ | 表面硬度HRC | 中心硬度HRC |
12.5 | 58 | 52 |
25 | 58 | 33 |
50 | 42 | 29 |
75 | 36 | 23 |
100 | 30 | 20 |
125 | 24 | 18 |
炭素鋼では直径が50㎜もなれば中心まで焼きがはいりません。
そこで炭素鋼ではなく合金鋼などを考えたほうが良い場合があります。
焼入れが入る深さは添加する合金によって大きく影響されます。
焼き入れ性を良くする元素は順にマンガン、モリブデン、クロムです。
炭素鋼にクロムを1%入れて焼き入れ性を良くした鋼材がクロム鋼(SCr材)です
そのSCrにモリブデンを0.2%入れてさらに焼き入れ性を高めた鋼材がクロム・モリブデン鋼(SCM材)です。
加工する大きさによって材料を選定する必要がありますね!
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